サンシャワー 新美術館編
国立新美術館と森美術館とで2館同時開催されている「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」、新美術館の方を鑑賞してきた。
東南アジアの歴史的、政治的な背景があり混乱と矛盾の時代からの制作活動なので、直接的なメッセージを伝える作品が多い。
インドネシアのFXハルソノの「声なき声」
用意された紙にスタンプを順番に押していく観客参加型の作品。
最終的にはDEMOKRASI (民主主義)という単語が完成するのだが、その前に掲げられている写真は紐で縛られ何とも不自由な手・・・
もしもシンガポールとマレーシアが分離しなかったら。
その時はどんなプロパガンダが繰り広げられるのだろうという、ビッグブラザー的世界をからかうビデオ・インスタレーション。
今回の展覧会のキービジュアルとしても使われているリー・ウェンの「奇妙な果実」。 作者本人は来ていない。
ヘリ・ドノの「政治指導者へのショックセラピー」という作品。 時間によって操り人形が動くのだが1時間に1回程度なので動くところは見られず。
ライラ・ガルセラノの「みんな関係づけられるのに必死だ」
彼女の作品はもう一つ森美術館の方の入口付近にも展示されているので、二つ揃って見ておきたい。
リクリット・ティラヴァーニャはタイ料理を食べるという作品。 毎週木曜日の11時15分にこの写真の前に集合すると、普段は入れない美術館内の特別な場所でタイ料理を食べるイベントに参加できる。ただし抽選。
なかなかお腹たっぷりの展覧会だが、ふだん目にする機会も少ない東南アジアの作家たちの、アーカイブ的な展覧会なので、森美術館と併せて足を運んでもらいたい。