ジム・モリソンの後釜にポール・ロジャース
以前、アメリカAOLの音楽サイトSpinnerに「The Doors Wanted Paul Rodgers to Replace Jim Morrison」という記事が掲載されていたことがある。 その記事自体はサイトが消滅してWebでは読めないが、この記事に言及している他の媒体はまだ残っているものがある。
この話、さらにオリジナルは英国Uncut誌に掲載されているらしいんだが未読。それにしても、あまりに驚くべき話。
要するに、1971年にジム・モリソンが亡くなった後、遺されたドアーズのメンバーは元フリー(当時)のポール・ロジャースを新しいボーカルに迎えようと考えていたそうだ。
なんでもドアーズの3人はポール・ロジャースのファンだったらしい。
でもどうやってポールとコンタクトを取れば良いのか判らず、とりあえず英国までポールを探しに行ったらしい。
しかし結局彼を見つけることが出来ず、最終的にはレイ・マンザレクがボーカルを担当することになり3人で再出発したと。
いやぁ、これは凄い、本当に凄い話だ。 いくらファンとはいえ、ジム・モリソンの代わりがポール・ロジャースという発想は普通しないだろう。
たぶん1971年頃の後半の話だと思うが、その時期はフリー(の最初の)解散直後だったし、たしかにコンタクトを取るのは難しかったかもしれない。
それにしてもドアーズとポール・ロジャースの組み合わせ。実現していたら・・ちょっと想像できない。
でも、某女王バンドとの組み合わせよりかは馴染んだかもしれない。 考えてみれば、ドアーズはLAのアングラブルースバンドとしても捉えることができるから。
そしてこの記事を読んでから慌てて3人ドアーズの「Other Voices」と「Full Circle」を聴き直してみた。
たしかにOther Voicesの方はそれっぽい音でもある。 ボーカルをポールのようなブルージーでソウルフルなものに脳内で置き換えても違和感がない。
なるほど、これからは3人ドアーズをそういう前提で聴くことになるのだろう。
またレイを除く2人(ロビー・クリーガーとジョン・デンズモア)が、やはり英国のブルース/R&B系シンガーのジェス・ローデンと組んだButts Bandというのがあって、これはこれで1970年代初頭の英国ファンキーロックの成果で、早すぎたバドカン(でも地味だけど)でもあるんだけど、昔から ”なぜドアーズ残党とジェス・ローデンが?” という疑問があった。
なんとなく、アメリカで食えなくなった二人がイギリスへ出稼ぎに行って(当時)流行りの音を出してみたのかなぁと思っていたのだけど、そうじゃなかったんだ。
ああいう音やボーカルがドアーズ残党側の選択だったんだね。そして失礼ながら小型ポール・ロジャースでもあるジェス・ローデンを選択したということであったと。
これで多くのドアーズファンや英国ファンキーロック好きの長年の疑問が氷解したことになる。
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と、ここまでが数年前の話題だが、この直後にFreeの関係者から「ポールに会いたいならアイランドの事務所に行って尋ねれば済むのに変な記事」と言われてしまった。
たしかにその通り。
でも実際にポール・ロジャースにコンタクトを取ろうとしたかは眉唾だが、あのようなディープなボーカリストを探していたことは間違いないんだろうと思う。
下はButts BandのSweet Danger。
ドアーズの2人とジェス・ローデン、ベースはフィル・チェンである。